同期との飲み会が楽しくなかった理由

 

先に言っておくと、ボクは飲み会全般がキライな訳ではない。好きな訳でもないけど、「この人と話できて良かったなあ」と思うときも結構あるし、「今日の刺身美味かったな、満足満足」と思うこともあるので、環境次第では飲み会はそこそこ楽しめる性格なのだと思う。時間と金のストックを大量に消費するという事を除けばだけど。

その上で、金曜にあった同期との飲み会がまっっっったく面白くなかった一番の原因は、他の同期との会話が合わなかったのが大きいと思われる。

 

 

自分はあまり休日に外に出るタイプの人間ではなくて、もっとはっきり言ってしまえばオタクとかギークとかそっち系の人間なので、趣味的にはかなり偏っている。具体的にはアニメ、ゲーム、本、将棋、野球観戦(ネット)、ネット徘徊、物書きとかその辺である。アニメは最近めっきり見なくなったけれど。最近「偏りすぎるのは良くない」みたいな記事を書いたような気もしないではないが、実際のところ、自分の趣味ひいては人生というものは偏りまくっている。極振りである。室内に。

 

閑話休題。とにかくそんなものだから「先週ボウリング行ったよ~」とか「来月ディスティニーランド(仮名)行くんだ~」みたいな会話をされても全く興味が湧かないし面白い訳がない。他には「最近付き合ったA君が足臭い」とか「女子的にはチューは浮気じゃないんだけど男子的にはどうなの」とかそんな会話もしていた気がするが、何一つ自分が話に交ざりたいと思った話題は無かったので、誰とも心から打ち解けてコミュニケーションを取ることが出来ず、ただただ苦行だった。皆が皆話に花を咲かせているなかで自分だけ盛り上がれないこの辛さ。何が辛いって、つまらないと感じている原因が自分にあるということだ。だって他の人たちは例外なく会話を楽しんでいたんだからさ。人間失格風に言わせてもらうと、「道化」を演じて延々と時間が過ぎ去るのを待っていた。迫りくる荒波をただ黙ってやり過ごす海辺のテトラポッドみたいに、あるいは小さな洞穴を寄る辺として春の到来を待つ小熊のように、自分自身が楽しんでいないことを回りの人に悟られないように精一杯の演技をして、2時間の飲み会コースが終わるその時をひたすらに待っていた。

幸いだったのは、イッキコールとか山手線ゲームとか王様ゲーみたいなガキくさい華やかなイベントが無かったことだろうか。いわば「まったり飲もうぜ」的な飲み会で、多くの人が楽しめるような雰囲気だったと思う。

 

敗軍の将として今回の戦を事後分析するに、やはり「会話が合わない」のが楽しめなかった最大の原因だと思われる。雰囲気自体はそこそこまったりしていたし、お酒を強要する馬鹿も一人もいなかった。

けれども、自分の興味の無い話を延々と振られるのは苦痛だったし、自分以外の皆がその話題で楽しめているのを見るのも苦痛だった。ダブルパンチ。

 

あとは上から目線みたいになって申し訳ないのだが「この人と仲良くなりたいなあ」という人が一人もいなかった、同期は皆が皆、世間とか常識みたいな物を常時顔面に張り付けているタイプの人間だったので、いっちゃあ悪いが一人の人間として深い思考をしているとは到底思えず、頭のなかを覗いて見たい、と思わせる人がひとりとしていなかった。誰かの考えを自分の考えみたいに語る人は魅力的ではないというのがボクの考えだ。

一方で、先月の職場の飲み会ではそこそこ楽しめていたのは、職場のオッサンには自分と趣味が近い人間が何人かいるからだと思う。好きな本紹介をしあったりだとか。

あとはオッサンオバサン達はなんだかんだいって自分の人生の哲学的なモノを持っているから、共感できるかどうかは別として、そういう話を聞くこと自体はなかなか面白い。

 

 

 

 

 

 

飲み会が終わってから「人間失格」を呼んだ。

いつの時代も、太宰は非リアの理解者だ。