視点って難しい

一人称視点で物語を書くのは結構楽で、ようするにブログを書くようにつらづらと書き続ければいい訳なのだ。けれども三人称視点で文章を書こうとすると話は変わってきて、カメラワークを常に意識して文章を構築する必要があるので、一人称と比べると少々異なるスキルが求められると個人的に思っている。ボクは三人称で文章を書くのが苦手で、何故苦手意識があるのか自分に問いただしてみたところ、思うに、ドラマとか映画とか、そういう映像分野の作品をあまり観ずに育ってきた人間なので、カメラワークたるものがなんなのか、自分の中であまり理解できていないからなのではないか、という結論に至った次第である。他人の文章を読むときにも視点の移動というものはあまり意識することはなくて、一人称の小説と比べると随分雑に読んでしまっているなあ、とはたまに感じている。自分はどちらかというと読むのが早い人間で、けれどもそれは精読という言葉からは対極にある訳なので、正直あまりいい読み方ではないのだろう。例えるなら、サンマの塩焼きの白身部分だけを食べている、みたいな。

一人称の文章はそれはそれで味があって好きだけれど、やっぱり三人称のほうが俯瞰的な世界観を醸し出すことが可能になるので、いずれは自分も三人称の文章を書けるようになりたいと思う。