そして人は揺りかごで空を飛び続ける

最近はサイモン・シンの「暗号解読」という本を昼休みに読んでいるのだが、なかなかどうしてこれが面白い。暗号と暗号解読の歴史について書いてある本なのだが、あまり堅苦しい内容では無くて、タメになりつつも娯楽として楽しめる文章になっている。興味を持った人にはオススメできる一冊だ。作者はサイモン・シンという人で「フェルマーの最終定理」というノンフィクションも手掛けている。こちらの作品は新潮文庫の100冊に選ばれていたので結構有名かもしれない。



さて、久々に文章を書いているので長文がさっぱり書けなくなってしまっている。心の処方箋的役割も兼ねて、このブログは精神的に辛い時にこそ更新するようには心掛けているのだが、ここしばらくはどうにも時間が取れなくて、いや実際はブログを更新する程度の時間はあったのだけれど、どうにも筆が進まなくて更新できなかった次第である。

最近は仕事が忙しく、色相を少しずつ濁らせながら日々をどうにかやり過ごしている。「仕事を長く続けるコツは、感性を鈍らせることだよ」と、ボクの隣の席の40代半ばのオッサンは以前そう語ってくれた。たしかにその通りで、もしボクが学生時代の瑞々しい感性のままで現在の職務に励んでいたら、精神的ダメージに耐え切れずにすぐに仕事を辞めていたに違いない。労働というのはどうしようもないくらいに悪辣な魔物で、僅かばかりの賃金を寄越してはくれるものの、代償としてあまりにも多くのサムシングが毟り取られているような気がする。時間とか、安らぎとか。瑞々しい感性とか。

とにかくまあ自分は生きる為に働いているのであって、働くために生きている訳では断じてないのであり、つまりは現状に多いに不満を持っている。そして真に恐るべきは、この不満は今後縮小する見込みがなくて、それどころか年を重ねるにつれて爆発的に増加していく見通しだという事だ。つまり、これから年を重ねるにつれて余暇が減ることはあっても、その逆は断じてない、という訳なのだ。同じ職場の先輩諸兄を見る限り。

そんな訳で、ただただ自分の今後の人生に悲観している今日この頃。こんな生活が続くようであれば真面目に転職を考える必要もあるのだけれど、今はまだ、もう少しこのフィールドで戦ってみようと思う。