生まれてしまったからには、せめて少しでも楽しんでからしんでやる

 

「けいおん」著:村上晴樹

出オチに見せかけてかなりのクオリティだった。

SS界隈は時折こういう謎の名作が生まれるから面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

世の中の大半の人々と同じように、ボクは「快楽」を道しるべとして日々を歩いている。自分の進む先の最終目的地が快楽に繋がることを確認しつつ、ときには若干進路を軌道修正しながら人生を消費している。

 

だからボクは誰に言われるでもなくゲームやネットや読書をして過ごしているし、あるいはつまらない仕事を続けている。

 

前者は直接的に快楽に結びつくことなので、とても楽しくて有意義な時間だ。

後者はとくに楽しくも有意義でもないけれど、前者を継続的に行うために必要な行為。

快楽を得つつ、その快楽によって生計を立てることが出来ればそれは僥倖だけど、実際問題、若さ以外に何の取り柄もない自分がそんな大それた真似をすることは現実的ではないので、仕方なく、本当に仕方なく働いているというわけだ。

けれどもそこまでして働くのは「快楽」に継続性を持たせるためであり、自分が常に快楽のために生きているという前提とは矛盾しない。

 

 金があれば仕事なんていつでも辞めるのに。

時間はあらゆる面で金を上回っていると思うけど、「蓄えられる」という一点においてのみ、金は時間より優れていると思う。

 

 

いつか仕事をやめるその日のために、ボクはせっせと小金を蓄える。